Thursday, November 15, 2018 9:25 AM

稀勢休場、来場所進退へ 横審「気力、体力心配」

 大相撲の東横綱稀勢の里(32)=本名萩原寛、茨城県出身、田子ノ浦部屋=が九州場所5日目の15日、日本相撲協会に「右膝挫傷捻挫で全治1カ月の休業加療を要する」との診断書を提出して休場した。初日(11日)の小結貴景勝戦で痛めたという。8場所連続休場明けの9月の秋場所で10勝し、引退危機をひとまず脱したが、来年1月の初場所に向けて進退問題の再燃が必至となった。

 初の一人横綱で臨んだ今場所は初日から4連敗の不振。横綱の初日から4連敗は不戦敗を除き、1931年春(1月)場所の宮城山以来87年ぶりだった。稀勢の里は「本当に申し訳ない。最後まで務めるのが責任だと思っていた。だが体がついていかなかった」と無念の表情。初場所への覚悟について「しっかりとけがを治して、また考えていきたい」と語った。

 協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「横綱の第一の条件である強さが満たされない状態が長期にわたっており、これを取り戻す気力と体力を持続できるか心配している」とのコメントを発表した。26日に定例会合を開く横審が、激励、注意、引退勧告の三つがある決議をするかどうかも注目される。(共同)