Tuesday, August 30, 2016 1:12 PM

受動喫煙で肺がん1.3倍 危険性「確実」に格上げ

 国立がん研究センター(東京)は30日、多数の日本人を対象とした複数の研究を統合的に解析したところ、他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」で肺がんになるリスクは、受動喫煙しない場合に比べて約1.3倍となり、危険性が明確になったと発表した。このため、肺がんに対する受動喫煙のリスク評価を従来の「ほぼ確実」から「確実」に格上げした。

 日本の受動喫煙対策は国際的に不十分とみられており、多数の外国人が訪れる2020年の東京五輪に向けて、受動喫煙の対策強化が急務となりそうだ。

 同センターによると、日本では肺がんによる死亡のうち、男性は70%、女性は20%で喫煙が原因とされている。受動喫煙については、1980年代から肺がんとの関連が指摘されてきたが、対象人数が限られる個別の研究では明確な結論が得られず、リスク評価も「ほぼ確実」にとどまっていた。(共同)