Tuesday, November 27, 2018 9:45 AM

新興企業のウェイケア、人工知能で交通事故を削減

 人工知能を活用した交通管理システムを1年間にわたってラスベガス市の道路交通管理に試験運用した結果、車の衝突事故を約17%削減するという効果があった。

 同システムを開発したのは新興企業のウェイケア(Waycare)。同社は、人工知能と予想分析を活用した交通データ管理技術を開発している。2016年にシリコン・バレーで創業したウェイケアは、イスラエルのテルアビブにも拠点を置く。

 ノーキャメルズ誌によると、今回の試験運用はウェイケアとネバダ州交通当局が協力し、ストリップ(ラスベガスの繁華街)に近い州間高速道路15号線の一部で実施された。

 ウェイケアの技術は、車載システム(テレマティクス)や屋外カメラ、検知器、道案内アプリケーションといった各種の情報源からリアルタイムのデータと統計(歴史的)データを収集したうえで予想分析する。

 同社の目的は、それらを活用することで地方自治体や警察による交通安全強化と交通渋滞緩和、緊急時対応の迅速化といった取り組みを支援することだ。

 ラスベガスの試験では、交通事故が起きやすい場所をウェイケア技術によって特定し、交通当局に警告した。それを受けた当局は、走行車の運転者に速度を下げるよう呼びかけたり、注意を喚起したりして安全対策を講じた。また、交通事故を最大12分早く発見できたという効果も認められた。

 ウェイケアのノーム・マイタル共同創設者兼CEOは今回の試験結果について、「交通管理局や警察と協力して機械学習を活用することで道路安全に劇的な効果をもたらせることを示すものだ」と述べた。

 ネバダ州は、同様の試験を他地域でも実施する計画だ。ウェイケアは現在、フロリダ州タンパでも市当局と協力して試験を進めている。

 ラスベガス市当局者は、ウェイケアの試験が成功したおもな理由として、同社の技術が複数情報源を利用することから情報を迅速に得られることや、情報の迅速かつ確実な確認が可能になったことを挙げた。情報確認はこれまで、人手による作業で行われてきた。

http://nocamels.com/2018/11/waycare-las-vegas-road-safety-car-crashes/