Wednesday, December 05, 2018 9:16 AM

ゲノム編集食品、審査不要 市場販売へ開発加速も

 厚生労働省の有識者調査会は5日、ゲノム編集技術を使った現在開発中の大半の食品について、安全性審査の必要はなく、国への情報提供だけで販売を認めてよいとする報告書を大筋で取りまとめた。国内では、栄養価の高いトマトや肉が多いマダイなどゲノム編集技術を使った食品の市場販売を目指す動きが出ている。遺伝子組み換え食品と比べて緩い規制となることで開発が加速する可能性がある。

 厚労省は報告書を踏まえて本年度中に結論をまとめ、来春以降に具体的な仕組みをつくる方針。食品への表示に関しては消費者庁が別に検討する。

 これまでの議論では消費者団体から、安全性などへの懸念から審査や登録の義務化を求める意見が出ていた。しかし調査会は、ゲノム編集で特定の遺伝子の機能を失わせた食品は、従来の品種改良と見分けられず、自然界でも起こり得るため、厳格な規制は難しいと判断した。(共同)