Tuesday, December 11, 2018 9:16 AM

100年前の戦利品、比に返還 米、持ち帰った鐘

 米国が117年前、交戦中のフィリピンから戦利品として持ち帰った「バランギガの鐘」が11日、首都マニラの空軍基地に到着し、返還式典が開かれた。フィリピンは長年、鐘の返還を求めていた。反米的なドゥテルテ大統領の就任後、折り合いが悪くなっていた両国関係の好転につながりそうだ。

 鐘は全部で三つ。厳重に密閉された木箱が開けられ、クレーンで鐘がつり上げられると、式典に参加した数百人の軍関係者らから拍手と歓声が湧いた。フィリピンのロレンザーナ国防相と米国のソン・キム駐フィリピン大使も出席した。

 鐘はもともと中部サマール島バランギガの教会にあり、米比戦争中の1901年にフィリピン側の奇襲の合図として鳴らされ、米兵約50人が殺害された。米軍幹部は報復として10歳以上の男性を殺害するよう軍に指示し、住民多数が虐殺された。犠牲者は2500人や5万人など諸説ある。(共同)