Tuesday, December 11, 2018 8:56 AM

産業ロボティクスの新興企業がドイツで台頭

 昨今、ドイツの人工知能(AI)競争力が強まっている。ドイツの大企業に加え、AI技術開発新興企業らの台頭も目立ち始めた。

 フォーブス誌によると、それを象徴する存在が、2014年にベルリンで起業されたマイクロプシー・インダストリーズ(Micropsi Industries)だ。同社は、状況に応じて柔軟に対応できる能力を産業ロボットに持たせるために、機械学習を応用したソフトウェアの開発で関心を集めている。

 同社の機械学習技術は、たとえばケーブルの挿入といった繊細かつ複雑な作業に対応する能力をロボットに教える。そういった作業は、機械腕にとっては至難の業で、しかも、あらかじめ設定することがきわめて難しい。一つのカメラと複数の検知器、そして人工知能によって、現実世界で何が起きて、それにどのように対応するかをみずから判断する産業ロボットの開発を同社は目指している。

 機械腕の動作と制御を可能にするのは、ミラ(Mira)と呼ばれる同社の独自技術で、深層学習技術を応用した模倣学習(imitation learning)という技術が使われている。簡単に言えば、人間の動きを機械視認によって模倣することで対応能力をリアルタイムで学ぶのが模倣学習のしくみだ。

 模倣学習を可能にするには、高性能の神経回路網人工知能が必要で、そのための演算処理に対応できるチップ・プラットフォームも必要となる。ミラでは、エヌビディアのジェットソン(Jetson)プラットフォームが採用されている。

 マイクロプシーは、ジェットソンを高性能の産業ロボット開発に活用するエヌビディアのインセプション(Inception)という協業制度に加わっている。ミラの開発は同制度のもとに実行された。

 マイクロプシーは現在、ドイツのソート・リーダーズ・キャンペーン(Thought Leaders Campaign)という人工知能応用推進策の先頭集団に位置する。

https://www.forbes.com/sites/nvidia/2018/12/07/this-robotics-startup-chose-germany-over-silicon-valley-and-here-is-what-they-are-working-on/#23cdb9242cc9