Wednesday, January 09, 2019 10:01 AM

徴用工、韓国に協議要請 政府、差し押さえ通知受け

 政府は9日、韓国最高裁が新日鉄住金に賠償を命じた元徴用工訴訟を巡り、1965年の日韓請求権協定に基づく政府間協議の開催を韓国政府に要請した。同社側に資産差し押さえが通知され、効力発生を確認したのを受けた措置。請求権協定に基づく協議は行われたことはなく、日本側が求めたのも初めて。韓国側に解決に向けた具体策を迫り、日本企業への不利益を避ける狙いがある。韓国側がただちに応じる可能性は低いとみられ、日韓の関係悪化を打開する道筋は不透明だ。

 韓国外務省は最高裁判決を尊重する立場は不変だとする声明を発表。文在寅大統領が10日の年頭記者会見でどんな発言をするか注目される。日本政府は請求権協定の手続きが不調に終わることを想定し、国際司法裁判所(ICJ)へ提訴することも視野に入れている。

 秋葉剛男外務事務次官が9日夕、韓国の李洙勲駐日大使と外務省で会い、政府間協議を申し入れた。李氏は「本国に持ち帰る」と述べた。安倍晋三首相は韓国側の差し押さえの動きに関し「極めて遺憾だ」と述べ、具体的な対応措置の検討を指示していた。(共同)