Friday, January 11, 2019 10:21 AM

過少支給1973万人 勤労統計、530億円

 賃金や労働時間の動向を把握する厚生労働省の「毎月勤労統計」の不適切調査問題で、厚労省は11日、統計を基に算定した雇用保険の失業給付や労災保険などの過少支給の対象者は延べ1973万人で、総額は537億5000万円に上ったと明らかにした。過少支給のあった全対象者に不足分を追加支給する。

 本来の全数調査ではなく不適切な抽出調査で実施するよう定めたマニュアルがあったことも分かった。根本匠厚労相が記者会見で明らかにした。手法を変える際に必要な総務省への申請もしていなかった。行政のチェック機能が働かず、ずさんな処理が長く続いた可能性が高まった。組織的に行った疑いもあり、弁護士らによる厚労省の監察チームが詳細を調べる。

 一連の問題は総務省の指摘を契機に明るみに出た。根本氏は11日の記者会見で「極めて遺憾で、国民の皆さまに心からおわび申し上げる」と謝罪。事実関係を調べた上で関係者の処分を含め対応したいと述べたが、組織的な隠蔽は否定した。(共同)