Thursday, January 17, 2019 9:25 AM

日立、英原発計画を凍結 民間出資や支援拡大なく

 日立製作所は17日、英国での原発新設計画を凍結すると発表した。事実上の撤退となる。他の民間企業の出資協力や英政府の支援拡大が見込めないため、将来の事業リスクを背負いきれず、採算も確保できないと判断した。凍結に伴い、2019年3月期連結決算で約3千億円の損失を計上する。政府が成長戦略の柱に据える原発輸出案件は全て暗礁に乗り上げることになる。

 東京都内で記者会見した東原敏昭社長は原発事業について「ここ何年かは国内に集中する」と述べ、新設案件がないこともあって海外市場から距離を置くと表明した。原発再稼働や東京電力福島第1原発の廃炉の対応を優先する。英原発に関しては英政府との協議を継続するとしているが、「(凍結解除の)時間軸は見通せない」と撤退を強く示唆した。

 東芝が海外の原発事業から撤退し、三菱重工業もトルコの原発新設を断念する方向。原発輸出の案件はゼロとなり、政府の成長戦略の見直しは必至な情勢だ。(共同)