Tuesday, January 22, 2019 9:46 AM

イランとEUに確執 核合意存続、協調に乱れ

 欧州連合(EU)がイラン情報機関に制裁を科すなど同国に厳しい姿勢を取り始めたことを受け、米国が離脱した核合意の存続に向けたイランとEUの協調機運が失われつつある。米制裁で経済が低迷するイランは、EUが約束した支援策の実行が遅れていることにも不満を募らせ、今年に入り両者の確執が目立っている。

 テヘランのイラン外務省で8日、外務省幹部と英独仏など欧州6カ国の外交官が向き合った。イラン外交当局者によると、欧州側が呼び掛けた会議の冒頭、デンマークの外交官がEUを代表する形で、イランの弾道ミサイル開発などを非難する書簡を読み上げ始めた。

 イラン側は核合意存続への方策が議題と想定していただけに、唐突な批判に幹部は「核合意を巡るEUの責任欠如を釈明する場と思っていた。もう終わりだ」と発言。席を立って憤りをあらわにした。イラン側は書簡の受け取りも拒否した。異例の展開となった会議は10分間弱で幕を閉じた。(共同)