Wednesday, January 23, 2019 9:10 AM

IBMのブロックチェーンでコバルト供給網を追跡

 ルクセンブルグの新興企業ユーラシアン・リソーシズ・グループ(Eurasian Resources Group=ERG)は21日、IBMのブロックチェーン・プラットフォームを使ってコバルトの世界供給網を追跡できるようにする計画を打ち出した。

 エンバイロメンタル・リーダー誌によると、ERGはまず、コンゴ共和国で運営するメタコール(Metalkol)RTRにブロックチェーン・プラットフォームを活用する。コンゴは世界最大のコバルト産出国だが、奴隷労働や児童労働といった倫理問題を抱えている。

 自動車業界では、コンゴ産コバルトのうち倫理的問題のあるコバルトを調達しないようにする動きを強めている。そのためには、非倫理的コバルトを特定して排除する必要があり、そこにブロックチェーン技術が応用される。

 IBMの供給網追跡ブロックチェーン・ソリューションは、コバルトの生産者や関連業者らが、生コバルト(加工前コバルト)に関する各種のデータおよび情報を集めて整理することで、責任あるコバルトをメタコールRTRで生産して商品化することを保証できるようにする。

 コバルトは、電気自動車(EV)のリチウムイオン電池の重要材料で、その需要は近年に非常に旺盛だ。

 IBMの供給網向けブロックチェーン・プラットフォームは、コバルトの遡及追跡(上流にさかのぼる追跡=トレイス)と順行追跡(下流方向への追跡=トラック)を可能にする。対象物が流通網を移動するたびにブロックチェーン技術によって記録され、関係者たちのあいだで世界中のどこからでも確認可能。ブロックチェーンによる記録は改ざんされにくいという利点がある。

https://www.environmentalleader.com/2019/01/ibms-blockchain-solution-to-be-piloted-at-congo-cobalt-reprocessing-plant/