Monday, January 28, 2019 9:15 AM

日韓関係に言及なし G20、議論主導に決意

 安倍晋三首相は施政方針演説で、韓国最高裁が新日鉄住金に賠償を命じた元徴用工訴訟判決の影響で冷え込む韓国との2国間関係に言及しなかった。対立する問題が相次ぎ、関係改善が難しい現状を印象付けた形だ。一方、首相が議長を務める6月の20カ国・地域(G20)首脳会合に関し、自由で公正な貿易システムの構築や地球規模の課題解決に向けて議論を主導する決意を示した。

 日韓は元徴用工訴訟のほか、韓国軍による自衛隊機への火器管制レーダー照射問題などを巡り関係が悪化している。首相は北東アジア外交に関し「新しい時代の近隣外交を力強く展開する」と述べた。

 世界経済については「今こそ、自由貿易の旗を高く掲げなければならない」と言及。地球規模課題の解決に向け「日本のリーダーシップに強い期待が寄せられている」として、温室効果ガスや海洋プラスチックごみの問題に積極的に取り組む考えを示した。G20首脳会合では「世界が直面する課題について、率直な議論を行い、世界が向かうべき未来像を見定めていく」と強調した。(共同)