Thursday, January 31, 2019 9:43 AM

シリア、米撤収で不安定化 トルコ、ロシアが駆け引き

 トランプ大統領が駐留米軍の撤収を決めたシリアで不安定化の兆しが強まってきた。米軍と協力するクルド人勢力が実効支配する北部でテロが散発。米軍撤収後の影響力を確保しようと、反体制派を支援するトルコとアサド政権を支えるロシアの駆け引きも本格化している。

 テロは北部の要衝マンビジュなどで発生した。マンビジュにはクルド人勢力と共闘して過激派組織「イスラム国」(IS)掃討を行ってきた米軍が駐留する。シリア人権監視団(英国)によると、1月16日の自爆テロでは米軍の関係者4人を含む19人が死亡した。

 トルコは、シリア北部のクルド人勢力を自国の非合法武装組織の分派とみなす。軍部隊による越境作戦で既にクルド支配下の北西部アフリンを制圧。マンビジュを含め、クルド地域への新たな攻撃を辞さない構えだ。(共同)