Friday, February 01, 2019 8:58 AM

年金運用14.8兆円赤字 過去最大、昨年10〜12月

 国民年金や厚生年金の積立金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は1日、昨年10〜12月期の運用実績が14兆8039億円の赤字だったと発表した。四半期ベースでの赤字幅としては過去最大となった。米中の貿易摩擦などによる世界的な株安で、国内外の株価が大幅に下落したことが要因。急速に円高が進み、外貨で運用している資産が目減りしたことも影響した。

 利回りはマイナス9.06%。12月末時点の資産総額は150兆6630億円。ただ、2001年に市場運用を開始して以降の利回りはプラス2.73%、累積収益額は56兆6745億円のプラスとなっている。西村康稔官房副長官は1日の記者会見で「長期的には年金財政上、必要な収益を十分確保している」と述べた。これまで四半期での最大の赤字は、ギリシャの財政危機などが問題化した15年7〜9月期の約7兆9千億円だった。

 GPIFは主に、国内外の株式、国内外の債券の四つの資産に分散投資している。以前は国内債券の比率が6割を占めたが、14年に債券を抑えて株式の比率を高める方針を決定。現在はほぼ半分を国内外の株式で運用している。高収益が期待できる半面、国内外の株価が低迷すれば赤字が膨らみやすくなるというリスクを抱えている。(共同)