Friday, February 01, 2019 8:59 AM

米、INF条約破棄発表へ 「核なき世界」に逆行

 ポンペオ米国務長官は1日、ロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約について破棄通告を発表する。米メディアが伝えた。「核兵器なき世界」に逆行する動きで、軍縮の行方には不透明感が漂っている。条約違反を巡る対立に加え、中国が条約に縛られずにミサイル開発を進めてきたとのトランプ政権の懸念が背景にある。

 INF廃棄条約は1987年、当時のゴルバチョフ・ソ連共産党書記長とレーガン大統領が調印。翌88年に発効し冷戦終結を後押しした。核軍縮分野で特定兵器の全廃を盛り込んだ史上初の条約は、破棄通告後6カ月で失効する。

 トランプ大統領は昨年12月、中国も含めた3カ国で軍縮協議を行う意欲を示したが、実現のめどは立っていない。中国に対抗するため米国がアジアでミサイル配備を強化するとの見方もあり、日本にも影響が及ぶ可能性がある。(共同)