Friday, September 02, 2016 9:49 AM

ロシア、米中にらみ対日接近 優先度低い領土問題

 ロシアのプーチン大統領が対日接近を図るのは、重要視するアジア太平洋諸国との関係強化を目指す上で、この地域で強い影響力を持つ米国や中国の動向に対応する側面が強い。日米同盟にくさびを打ち込むと同時に、中国偏重の経済関係を多角化したい思惑がある。

 ロシアにとって、実効支配する北方領土の帰属問題自体は解決の優先度が低い。それでも交渉継続の姿勢を強調するのは、日本から経済協力を引き出すとともに、安全保障や経済でロシアがアジア方面に進出する上で、日本を中国と並ぶ足掛かりにしたい考えからだ。

 ロシアは従来、プーチン氏の訪日は「日本次第」と強調し、あくまで日本の要望に基づくと説明してきた。だが「実はプーチン氏訪日を実現したい意思はロシアの方が強い」(日露外交筋)との見方がある。(共同)