Wednesday, February 13, 2019 9:56 AM

芸能事務所に是正勧告 裁量ない社員に制度適用

 人気グループ「いきものがかり」や有名俳優らが所属する芸能事務所「キューブ」(東京)が、男性社員を裁量のない業務に従事させていたにもかかわらず、裁量労働制を適用していたとして、渋谷労働基準監督署が是正勧告していたことが13日、労働組合関係者への取材で分かった。残業が月200時間を超えていても、残業代の大半は支払われていなかった。

 裁量労働制は、実際の労働時間に関係なく一定時間を働いたとみなして残業代相当分を支払う制度。政府は柔軟な働き方につながるとして対象業務を拡大する意向だが、違法な長時間労働を助長する不適切な運用が相次ぎ、問題となっている。

 男性が加入する「裁量労働制ユニオン」(東京)の坂倉昇平代表は「実質的な業務内容で裁量の有無を判断するのは珍しい」と指摘する。労基署が芸能事務所の過酷な労働環境に「メス」を入れた形だ。(共同)