Wednesday, February 13, 2019 9:57 AM

逆風春闘交渉スタート 自動車労組が要求書提出

 自動車大手の労働組合は13日、経営側に春闘の要求書を提出し、2019年の労使交渉が始まった。米中貿易摩擦などの影響で世界経済に不透明感が広がっており、労組に逆風となる厳しい交渉が予想される。政府が賃上げに深く関わる「官製春闘」は経団連が脱却姿勢を示し、近年は足並みがそろっていたベースアップ(ベア)要求の対応が分かれることになり、曲がり角を迎えた。

 主要8社のうち日産自動車など6社の労組がベアに当たる賃金改善分として月額3000円を提示。トヨタ自動車とマツダの労組はベア水準を示さなかった。大手企業の回答は3月13日に集中する予定で、1カ月にわたり労使の攻防が続く。相場形成をけん引してきた自動車各社の交渉の行方に注目が集まりそうだ。

 仕事と生活の両立に向けた働き方改革も焦点となる。要求書を受け取ったトヨタの河合満副社長は「昨年、労使が解決しきれなかったことを確認し、即断、即決、即実行する『総決算の場』にしたい」と述べた。(共同)