Tuesday, March 05, 2019 9:38 AM

中国、成長率目標引き下げ 19年「6.0〜6.5%」

 中国の第13期全国人民代表大会(全人代=国会)第2回会議が5日、北京の人民大会堂で開幕した。李克強首相は政府活動報告で、2019年の実質国内総生産(GDP)の成長率目標を「6.0〜6.5%」に設定し、2年ぶりに引き下げた。19年予算案では国防費を前年比7.5%増の約1兆1898億元(約19兆8000億円)計上。経済が低迷しても軍拡は継続する。米中貿易協議の早期妥結への意欲も示した。

 米国に次ぐ第2の経済大国である中国の成長鈍化は、世界経済の一段の不安材料となる。一方、国防費は日本の防衛予算の4倍近くに拡大した。米国との覇権争いが先端技術や安全保障の分野に及ぶ中、有事に備えて官民一体で「強軍」建設を進める方針。東・南シナ海などで高まる存在感に、日本を含む国際社会の懸念が強まりそうだ。

 18年の成長率の実績は6.6%で「6.5%前後」としていた目標を上回ったが、米国との貿易摩擦などが響いて28年ぶりの低水準だった。19年はさらに成長が鈍化する見通し。李氏は「リスクと試練が増大する」と警戒感を表明した。(共同)