Tuesday, March 05, 2019 9:38 AM

iPS角膜移植を了承 厚労省、大阪大の計画

 厚生労働省の専門部会は5日、人工多能性幹細胞(iPS細胞)からシート状の角膜組織を作り、目の病気の患者に移植する大阪大の臨床研究の実施を条件付きで了承した。大阪大のチームは、早ければ6月にも1人目の移植を実施する方針。iPS細胞を使った角膜の治療は世界初。iPS細胞の臨床応用が認められた病気は国内6種類目となる。

 視力が低下したために、亡くなった人からの角膜提供を希望する患者は全国で約1600人に上る。大阪大の治療はこうした患者の新たな選択肢となる可能性がある。

 臨床研究の対象となるのは、けがや病気で角膜のもとになる細胞が失われる「角膜上皮幹細胞疲弊症」の患者。角膜は眼球への異物の侵入を防ぎレンズの役割を果たす透明な膜で、この病気になると、角膜が濁り、視力が低下する。(共同)