Friday, March 15, 2019 10:20 AM

輸出・生産の判断引き下げ 日銀、大規模緩和策は維持

 日銀は15日、金融政策決定会合を開き、国内景気の個別項目のうち輸出と生産の現状判断を引き下げた。中国経済の減速を背景とした最近の落ち込みを反映した。景気の総括判断は「緩やかに拡大している」で据え置いたが、「輸出・生産面に海外経済の減速の影響が見られる」と慎重な表現を加えた。現行の大規模金融緩和策は維持した。

 日銀の黒田東彦総裁は決定会合後の記者会見で「景気拡大の基本的なメカニズムに変化は生じていない」と強調。設備投資や個人消費など内需は堅調と分析し、海外経済も中国の景気対策などで「2019年後半には中国や欧州など、減速しているところが回復してくるのがメインシナリオだ」と見通した。

 前回1月の決定会合では、輸出と鉱工業生産をいずれも「増加基調」としていたが、輸出は「足元では弱めの動きとなっている」、鉱工業生産は「足元では弱めの動きとなっているが、緩やかな増加基調にある」にそれぞれ引き下げた。日本経済の先行きは「拡大基調が続くとみられる」から「当面、海外経済の減速の影響を受けるものの、緩やかな拡大を続けるとみられる」に修正し、警戒感をにじませた。(共同)