Friday, March 15, 2019 10:20 AM

地震論文5編で捏造 大阪大、17編も不正疑い

 大阪大は15日、記者会見し、秦吉弥・元准教授らのチームが東日本大震災(2011年3月)と熊本地震(16年4月)を観測してまとめたとする研究論文5編で捏造や改ざんがあったとの調査結果を公表した。北海道南西沖地震(1993年)や阪神大震災(95年)、発生が懸念される南海トラフ巨大地震などを対象とした他の17編も不正が強く疑われるとし「不正は長期、多数にわたり行われ、悪質度は極めて高い」と指摘した。研究には国の資金が使われており、文部科学省は対応を検討する。

 阪大によると、元准教授は既に退職し、亡くなっている。死因や時期は明らかにしていない。元准教授は一連の研究不正を否定し「実際に測定をし、論文を書いた」と説明したが、関連記録などから不正を認定した。

 阪大の八木康史副学長は「科学研究に対する社会全体の信頼を失い、被災者や関係研究機関の皆さまに多大なご迷惑をお掛けした」と謝罪した。(共同)