Thursday, September 08, 2016 11:49 AM

外国人の救急対応迅速に 支援ボード、五輪見据え

 東京消防庁は8日、日本語に不慣れな外国人らを救急搬送する際に使う「救急用コミュニケーション支援ボード」を公開した。痛みを訴える様子などを描いた複数のイラストから自身の症状を選んでもらい、救急隊員が迅速に対応できるようにする。2020年の東京五輪を見据えた措置で、11年から使っていたボードを改訂。順次、消防車や救急車に載せていく。

 同庁によると、ボードはA4サイズで、医療や福祉を支援する明治安田こころの健康財団が作成。イラストはこれまでの「熱がある」や「痛い」といった症状を表す8項目に、「けいれんする」と「気を失う」の二つを追加。説明文も従来の日本語、英語、中国語、韓国語に、スペイン語とポルトガル語を加えた。言葉を話せない障害者にも示すという。

 東京消防庁管内の外国人の搬送者数は11年は約6200人だったが、15年は1.5倍以上となる約9800人に増加。高橋淳消防総監は「五輪開催に伴い、来日外国人の増加が予想される。世界一安全・安心な都市を目指し、全力を尽くす」と抱負を述べた。(共同)