Thursday, April 11, 2019 9:57 AM

メタウェーブ、77GHzレーダー用の位相制御装置開発

 電波を使って車両や歩行者などを検知するミリ波レーダーの開発企業メタウェーブ(Metawave、カリフォルニア州)は、自動車や幅広い交通関連施設向けの77GHzレーダー・プラットフォーム「WARLORD(ウォーロード)」用に新しいミリ波アナログ位相制御装置を開発した。この位相制御装置は、第5世代(5G)通信や固定無線通信用「SABER(セイバー)」向けの新しいアンテナでも展開する。

 メタウェーブのRFICおよびmmWaveの開発担当責任者ラウル・アリディオ氏は「性能はわれわれの予想以上で、低周波数アプリケーションで使われている市販の位相制御装置より挿入損失が少ない。当社のSOA位相制御装置を使って、自動運転に革命をもたらすアナログ・ビームステアリングを提供できるシステムを届けるのが楽しみだ」と述べた。

 新しい位相制御装置は、アナログ空間における正確なビームシェイピングやステアリング制御に必要な重い作業を可能にする装置で、結果は信頼でき、再現性もある。主要なアナログプラットフォームの電力消費量や挿入損失は少なく、車内や無線通信における処理や反応時間を短縮できる。

 メタウェーブによると、既存のレーダーは自動車機能の安全性と自律性を次の水準に引き上げることができず、自動車メーカーはライダーなどの高価なセンサーに依存している。「WARLORD」はコスト効率が良く解像度の高いセンサーで、 自動緊急ブレーキ(AEB)、ハイウェイパイロット、前方衝突警告システム(FCWS)における多くの課題(カットイン/カットアウトのシナリオなど)を克服できる。

 メタウェーブのプラットフォームにはすべて、障害物の検出・分類のほか、ワイヤレス展開のためのネットワークプランニングやデータロード管理のための人工知能(AI)ソフトウェア「AWARE」が組み込まれている。

 メタウェーブは、2018年10月、300メートル以内で車やその速度、180メートル以内で歩行者や自転車を検知できる先進レーダーの実証実験に成功している。

https://www.metawave.co/metawave-demonstrates-phase-control