Thursday, September 08, 2016 11:52 AM

トヨタ、南米経済回復見越して大規模投資

 トヨタが南米経済の回復に備えて大規模な投資を行っている。

 オートモーティブ・ニュースによると、トヨタはブラジルの部品工場を改良し、研究開発(R&D)と製品デザイン拠点を新設した。サンベルナルド・ド・カンポにある工場は1962年、海外初の生産拠点としてとして操業を開始した。トヨタは工場の拡張に1430万ドルを投じた。

 R&D拠点「Applied Research Center」の落成式に出席したスティーブ・アンジェロ南米最高経営責任者(CEO)は、フォードとGM、フォルクスワーゲン(VW)、フィアットの後塵を拝してきた南米市場でトップの座を見据えている。

 1400人の3シフト体制で運営されている工場は、「カローラ」と「エティオス」の現地生産モデル向けに部品を製造しているほか、「カムリ」をはじめとする米国生産車にロッドやクランクシャフトを輸出している。

 R&D拠点は新製品、購買、供給網、アクセサリー開発、規制順守および品質保証を担当する。デザイン拠点はトヨタにとって南米初で、現地の需要に対応した設計を推進する役目を負う。

 不況が長期化するブラジルでは16年上半期、新車登録件数が過去10年で最低を記録した。通年でも3年連続のマイナスとなる見通しだ。それでもPwCオートファクツは、17年に生産台数と工場の稼働率が持ち直し、20年に掛けて継続的に回復すると予測している。