Friday, May 03, 2019 10:10 AM

日朝会談「無条件で開催」 首相、拉致巡り方針転換

 安倍晋三首相は、日朝首脳会談の無条件開催を目指す意向を固めた。複数の政府筋が3日、明らかにした。日本人拉致問題の進展を開催の前提条件に置くとした従来方針を事実上転換した。近く北朝鮮に伝える方向。先方から求めがあれば、植民地支配を巡る「過去の清算」も並行して話し合う。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が呼び掛けに応じるかどうか、注意深く見極める構えだ。

 北朝鮮核問題に関する6カ国協議の枠組みでは、トランプ大統領が金氏との米朝非核化交渉に乗り出したほか、中国、韓国、ロシアの各首脳もトップ対話に臨むなど、情勢が大きく動きだしている。参加国の中で唯一金氏と会談していない安倍首相としては、孤立化を避けるため、会談へのハードルを引き下げて実現にこぎ着けたい考えとみられる。開催する場合、金氏から拉致問題解決への前向き姿勢を引き出せるかが最大の焦点になる。

 日朝首脳会談への新たな対応方針は①条件を付けずに金氏と会う②2002年の日朝平壌宣言に基づき国交正常化を目指す姿勢を強く打ち出す③北朝鮮が求めるあらゆる議題に関し、腹を割って話し合うーが柱。政府筋は「無条件開催を目指すのは、首相の強い意向だ」と強調した。(共同)