Wednesday, May 08, 2019 10:32 AM

イラン、核合意一部停止 米制裁再開に対抗

 イランのロウハニ大統領は8日、核兵器の原料にもなる濃縮ウランの貯蔵量の制限など、核合意の履行を一部停止する方針を表明した。米国の合意離脱と制裁再開への対抗措置。今後60日間で欧州などとの交渉に進展がなければ、高濃縮ウランを製造するとも警告した。事実上の最後通告で、核合意は崩壊の瀬戸際に立たされた。

 イラン情勢を巡る緊張が一段と高まった。一方でロウハニ師は核合意について「世界の安全保障にとって極めて重要だ」と強調、現時点で離脱する考えはないと述べた。

 トランプ大統領が米欧など6カ国とイランによる核合意から一方的に離脱すると表明してから8日で1年を迎えた。イランはこれまで核合意を全面履行しており、合意に関わる対抗措置は初めて。上限を無視し濃縮度の高いウランを製造すれば、合意維持を目指す欧州などの反発は必至だ。(共同)