Monday, September 12, 2016 10:13 AM

「理解深めて」願う語り部 同時テロ殉職消防士の妻

 米中枢同時テロの遺族らでつくるニューヨークの「9・11家族会」に、事件の個人的な体験を伝えるボランティアの「語り部」が812人いる。同時テロの衝撃の大きさへの理解を深めるのが目的。延べ30万人が語り部の話に耳を傾けた。

 ニューヨーク近郊に住むアン・バンハインさん(62)もその一人。2006年から約450回、体験談を語ってきた。訪日して東日本大震災の被災者とも交流している。

 バンハインさんは01年9月11日、当時10代だった2人の娘を学校に送り届けた後、運転していた車のラジオで事件発生を知った。夫のブルースさん=当時(48)=はニューヨーク市の消防士。「きっと現場に行っている」と思った。真夜中に夫の同僚が「行方が分からない」と伝えに来た。(共同)