Thursday, May 23, 2019 10:24 AM

世界遺産審査改革進める 諮問機関の河野俊行会長

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関で、世界文化遺産の登録可否を勧告する国際記念物遺跡会議(イコモス)の会長を務める河野俊行氏(61)が23日、所属する九州大で記者会見し「世界遺産の審査システム改革を進めている」などと現状と取り組みについて語った。

 河野氏は、遺産登録の可否を最終審査する世界遺産委員会で、イコモスの調査結果に基づく勧告を覆して登録が認められる事例が目立つことを懸念。遺産候補を推薦する国々が政治力などを駆使していることに「このまま放置すると、世界遺産全体の信頼性に関わる」と述べた。

 具体的な改革の中身については言及を避けたが「対話のプロセスを延長できないか、という方向性の議論が進んでいる」とし、アゼルバイジャンで6月30日から7月10日にかけて開かれる世界遺産委で改革案を諮る考えを明らかにした。(共同)