Friday, July 12, 2019 11:00 AM

首相談話「心からおわび」 ハンセン病元患者家族に

 政府は12日、ハンセン病元患者家族の差別被害を認め、国に損害賠償を命じた熊本地裁判決を受け入れ、安倍晋三首相による「政府として深く反省し、心からおわび申し上げる」との首相談話を発表した。家族への謝罪は初めて。近く原告らと面会し、直接謝罪する。差別被害に遭った全ての家族への補償に向け、政府は現行法の改正など法整備の検討に入る。

 原告・弁護団は東京都内で記者会見し「被害を償うに足りる賠償が行われるための道筋が示された」と首相談話を評価。請求が棄却された原告20人についても控訴せず、訴訟を終結させると表明。国が敗訴した判決が確定する。

 首相談話は、判決に基づく賠償を速やかに行うとした上で「訴訟への参加・不参加を問わず、家族を対象とした新たな補償の措置を講ずることとし、検討を早急に開始する」としている。ただ、補償範囲や具体的な施策は明示しなかった。菅義偉官房長官は記者会見で「今後、早急に検討を進めたい」と説明。原告との面会日程も今後調整するという。(共同)