Wednesday, September 18, 2019 10:26 AM

老後報告書の撤回決定へ 金融庁、案のまま放置

 金融庁の金融審議会が、95歳まで生きるには夫婦で約2000万円の蓄えが必要とした老後資金報告書を撤回することが18日、分かった。25日の総会で「今後は報告書を議題としない」ことを決める。報告書は「案」のまま放置し、「公文書の隠蔽だ」との批判を封印するため、金融庁のホームページ(HP)への掲載を続ける。

 報告書案は金融審の市場ワーキング・グループがまとめ、6月3日に公表した。金融庁は、10月4日に召集予定の臨時国会前に撤回を決めることで、これ以上、報告書への反発が広がらないようにしたい考え。ただ野党からの追及を封じ込めることができるかどうかは不透明だ。

 報告書を巡っては、野党が「国民の将来不安をあおる」として一斉に批判し、金融庁は幹部が国会で謝罪する事態に追い込まれた。諮問した麻生太郎金融担当相が受け取りを拒否したため、金融審は内容を修正することも断念し、取り扱いが宙に浮いていた。(共同)