Thursday, September 26, 2019 10:14 AM

マイナンバー不備認めず 横浜地裁、住民の請求棄却

 マイナンバー制度は憲法が保障するプライバシー権を侵害しており違憲だとして、神奈川県の住民ら230人が個人番号の収集・利用の差し止めを国に求めた訴訟で、横浜地裁は26日、制度の不備を認めず、請求を棄却した。精神的苦痛を受けたとする1人当たり11万円、計2530万円の損害賠償請求も退けた。全国8地裁で起こされた同種訴訟で初めての判決。

 判決理由で関口剛弘裁判長は、プライバシー権を保障する憲法13条は「個人情報をみだりに第三者に開示、公表されない自由」と指摘。「制度やシステム技術の不備から個人情報が公表される具体的な危険が生じているとは言えない」と述べ、違憲ではないと判断した。

 マイナンバー自体にはプライバシーに関する情報を含んでおらず、「結び付けられる情報は制度導入前から行政機関で利用されていた」とし、「施行によって新たにプライバシーが直接制約されるものではない」と結論付けた。(共同)