Monday, September 30, 2019 10:32 AM

酒かすで免疫調節物質生成 秋田の酒造会社などが発見

 秋田県湯沢市の酒造会社「秋田銘醸」と秋田大は30日、酒かすをヒトの小腸と同じ性質の培養細胞に添加する実験で、免疫調節作用が期待される二つの物質が生み出されることを見つけたと発表した。特許を出願中で、機能性表示食品への応用を目指す。

 秋田大院理工学研究科の伊藤英晃特別教授によると、二つの物質は、鼻や口の粘膜からウイルスなどが侵入するのを防ぐ「ディフェンシン-2」と、腫瘍を攻撃する分子を活性化する「インターロイキン-12」。一つの素材から免疫に関わる物質が2種類発見されるのは珍しいとしている。

 秋田銘醸によると、酒造りで出る酒かすは家畜の飼料や堆肥などに再利用されるが、一部は廃棄物になる。同社は酒かすの有効利用を目指し、乳酸菌と同様に免疫効果がないか研究を始めた。新規事業担当の取締役大友理宣さん(47)は「日本酒だけでなく副産物にも付加価値を付け、地元の酒造業界の活性化につなげたい」と話した。(共同)