Monday, September 30, 2019 10:34 AM

消費税10%スタート 5年半ぶり引き上げ

 消費税率が1日、8%から10%へと上がった。税率引き上げは2014年4月以来、5年半ぶり。日用品や公共料金など幅広い商品・サービスの価格が一斉に上がる一方、国内で初めて軽減税率制度が導入され、飲食料品などの税率は8%で維持される。税収増は、幼児教育・保育の無償化や低所得の年金生活者への給付金支給といった社会保障費に充てられるが、国民生活には年間2兆円程度の負担増になる見通しだ。

 安倍政権は前回の増税後に景気が低迷した反省から、キャッシュレス決済のポイント還元策や自動車・住宅の購入に対する減税など経済を下支えする措置を講じた。ただ米中貿易摩擦などで景気の先行き不透明感が強まっており、日本経済は増税に伴う駆け込み需要の反動減などを乗り越え、失速を回避できるかどうか正念場を迎える。

 菅義偉官房長官は30日の記者会見で「景気の下振れリスクに対して機動的かつ万全の対策を講じる」と強調した。少子高齢化に伴い社会保障費は今後も膨らみ続ける見通しで、借金依存から抜け出し、財政健全化への道筋を示すことも大きな課題となる。(共同)