Tuesday, September 20, 2016 9:45 AM

「仲裁判断」盛り込めず 日ASEAN首脳声明

 日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)が今月7日にラオスで開いた首脳会議の議長声明が20日までにまとまった。南シナ海での中国の主権主張を否定した仲裁裁判所の判断に関する言及は、一部のASEAN加盟国が同意せず、見送られた。明記した場合、中国を刺激しかねないとの懸念を抱いたとみられる。南シナ海で実効支配を強めたい中国に有利に働く可能性がある。

 ASEANのほか日米中ロなどの首脳を集めた9日のラオスでの東アジアサミットでも、議長声明に仲裁裁判所の判断は盛り込まれなかった。ASEANと連携して司法判断の順守を中国に求めたい日本と米国は対応に苦慮しそうだ。

 一方で議長声明は南シナ海問題に関し、中国を念頭に「軍事拠点化しないことの重要性を強調する」とした日ASEANの共通認識を新たに打ち出した。昨年の議長声明を踏襲する形で「平和の維持と、航行・上空飛行の自由」に触れ、中国への憂慮をにじませた。(共同)