Wednesday, January 22, 2020 9:20 AM
日本、根強い現金志向 対応遅れには危機感
日銀が6カ国でのデジタル通貨研究に参加する一方で「発行計画はない」との立場を崩さない背景には、サイバー攻撃対策など各国共通の課題に加え、日本では現金への需要がいまだに根強いという国内事情がある。デジタル通貨導入への機運は盛り上がりにくく、日銀は対応が遅れることに危機感を示す。
現金流通残高の名目国内総生産(GDP)に対する比率は、日本は2016年で20.0%。デジタル通貨発行を目指すスウェーデンの1.4%だけでなく、米国の8.1%、中国の9.2%も大きく上回る。日銀関係者は「日本国内のデジタル通貨へのニーズは高くない」とみている。
一方で、昨年10月の消費税増税を機に政府が導入したポイント還元制度などにより、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済は広がりつつある。日銀の雨宮正佳副総裁は昨年7月の講演で「急激にキャッシュレス化が進み、デジタル通貨発行の必要性が高まる可能性もある」と指摘し、技術研究を進める考えを示していた。(共同)
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