Monday, February 03, 2020 9:02 AM

アディダス、海洋プラスチック由来の新生地導入へ

 スポーツ用品大手アディダスは、再生ポリエステルと海洋プラスチック由来の新しい生地を使った新製品を発売する。

 ロイター通信によると、アディダスは2015年、海洋環境保護団体パーリー・フォー・ジ・オーシャン(Parley for the Oceans)と共同で、海洋廃棄物や違法に設置された漁網を再利用した糸と繊維で作るランニングシューズを開発。17年に最初の商品を発売し、19年には1100万足を生産した。同社の総生産数(4億足超)に占める割合はわずかだが、今後は靴のほかスポーツウェア全般に広げる方針だ。

 循環型経済の実現を目指す慈善団体エレン・マッカーサー財団によると、衣類に使われる素材の再利用率は1%に満たず、金額にして毎年1000億ドル以上の素材が無駄になっている。

 アディダスは20年も、海洋プラスチック由来の素材を使った「パーリー」ブランドの靴と衣類を生産する。さらに、海洋廃棄物を使った新開発の生地「プライムブルー(Primeblue)」を導入し、靴の人気シリーズ、パーリー「ウルトラブースト(Ultraboost)」などに使う。20年は海洋プラを使った靴を1500万〜2000万足生産する予定だ。

 再生ポリエステルの価格は、バージン(新品)素材より約10%高くなる。しかしアディダスは再生素材の価格引き下げ努力を続け、より多くの消費者に持続可能な製品を提供したい考え。ブランド戦略担当のジェームス・カーンズ副社長は「時間、規模、生産量の問題だ。私たちはこの取り組みを主導しようと試みている」と述べた。

 アディダスは、20年中に製品に使うポリエステルの50%以上を再生素材にし、さらに24年までには100%にすることを目指している。19年の再生ポリエステル使用率は、衣類で46%、靴で28%と推定している。