Wednesday, February 19, 2020 9:09 AM

乗員の隔離、不十分 客室待機後も感染続く

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で起きた新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の集団感染で、国立感染症研究所は19日、乗客の感染の多くは客室待機が始まる5日より前に起き、待機後も続いていたとの分析結果を発表した。感染は船内で行われたイベントなどを通じて広がったとみられる。一方、10日以降は乗員の発症が増加。一部の乗員が船の維持に必要な業務を続け、隔離が不十分だったとの見方を示した。

 感染制御の助言のため船に入った日本環境感染学会の桜井滋・岩手医大教授は「感染には2回の波があった」と指摘。「最初はパーティーやビュッフェなどの乗客同士の交流だったがその後、乗員のサービスの提供で広がったと推定される」と話した。

 クルーズ船では19日、高齢者を中心に乗客443人が下船。また同日、79人が陽性と判明、クルーズ船を巡る感染者は621人に達した。北海道、東京都と神奈川、沖縄両県でも新たに8人の感染が確認され国内で報告された感染者数は計705人となった。(共同)