Friday, March 06, 2020 10:10 AM

WHO「封じ込め可能」 新型肺炎、中国の実績評価

 【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は5日の記者会見で、新型コロナウイルスの中国以外での感染拡大に懸念を示す一方、封じ込めは依然可能として「諦めるな」と訴えた。中国が採用した大規模な移動制限措置などが一定の実績を上げたと評価していることが背景にある。

 テドロス氏は「パンデミック(世界的大流行)に発展する可能性はある。事態悪化もあるかもしれない」としながらも「多くの国で封じ込めに成功している」と強調。「制御不能の状態」にならない限り「パンデミックと呼ぶ理由がない」とも述べた。

 5日付のWHO集計で感染は世界89カ国・地域に広がっているが、中国では新規感染者数が減少し、大規模な移動制限措置などが効果を発揮したとWHOは評価。ただ、中国の「成功例」を他国に適用できるかどうかは不透明。特に民主主義国家では、私権制限を伴う措置を強権的かつ迅速に実施するのは難しい。