Tuesday, September 27, 2016 10:08 AM

貿易低迷長期化の可能性 IMF、保護主義懸念

 国際通貨基金(IMF)は27日、世界全体の貿易の低迷が長期化する可能性が高いとする報告書を発表した。各国・地域での経済活動の鈍化や貿易自由化の遅れが響き、欧米で台頭しつつある保護主義が「貿易の大きな足かせになる」と懸念した。

 2012年以降、世界全体の貿易量の伸びは年3%強にとどまり、過去30年の平均伸び率の半分以下に落ち込んだと分析。かつて世界の貿易は経済成長の2倍の速さで拡大していたが、ここ数年は貿易と経済の伸びがほぼ同じだとし「過去50年でほとんどなかったことだ」と指摘した。

 自由貿易協定は、1990年代に年30件近いペースで締結されていたが、11年以降は平均10件に激減したことにも言及。中長期的に世界経済が低調で、投資活動も弱い状況が続くことを考慮すると「貿易の低迷は長期化する可能性が高い」と結論付けた。(共同)