Tuesday, March 10, 2020 10:31 AM

日銀、ETF購入拡大検討 新型コロナで追加緩和案

 日銀が金融緩和の一環で設けている上場投資信託(ETF)の購入枠に関し、現行の年間約6兆円から増やす案を検討していることが10日、分かった。新型コロナウイルス感染症の拡大で株安基調にあり、日経平均株価などの下支え効果を生むETFを買い増すことで市場や景気の安定を図る狙い。18、19日の金融政策決定会合で議論する見通しで、市場動向を見極めて最終判断する。実施すれば3年8カ月ぶりの追加緩和となる。

 市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が追加の利下げに踏み切るとの見方が強く、日米の金利差縮小による円高進行が懸念されている。株価が上昇すれば投資家のリスク回避姿勢が和らぎ、比較的安全な資産とされる円が売られることにつながる。ETF購入枠拡大は、輸出企業の業績悪化を通じて経済にマイナスとなる円高を阻止する狙いもありそうだ。

 ただこれまでのETFの大量購入によって、日銀は多くの上場企業の大株主となっている。業績が株価に反映されにくくなるといった問題点も指摘され、日銀内には一段の買い増しに慎重な意見もある。(共同)