Thursday, March 12, 2020 10:37 AM

米入国停止、世界が収縮 トランプ氏、指導力誇示

 【ワシントン共同】新型コロナウイルス感染症が拡大する米国のトランプ大統領が11日、英国を除く欧州からの異例の入国停止措置に踏み切った。危機意識が不十分と指摘され、指導力を誇示する必要性に迫られていた。各国が入国制限を導入しており、人の移動は地球規模で急速に収縮。ニューヨークや欧州、東京の株式市場は続落し、安全保障への影響も懸念される。世界保健機関(WHO)が現状を「パンデミック(世界的大流行)」と表明した余波が広がった。

 トランプ氏はゴールデンタイムに合わせたホワイトハウスからのテレビ演説で「ウイルスとの闘いの重要局面にある」と強調。「現代史上、最も積極的な対策だ」と説明した。欧州からの入国停止は13日から30日間に及ぶ。米国では3月に入り感染者が急増している。大統領選を11月に控え、失策は許されない。

 国際金融市場が混乱する中、11日にWHOのテドロス事務局長が「パンデミック」を表明した。同日の米ダウは2月12日の最高値からの下落率が約2割に達し、東京市場でも売りが加速した。航空業界やエネルギー企業への深刻な打撃が見込まれる。