Friday, March 13, 2020 11:32 AM
高裁は全員水俣病と認めず 国基準踏襲、一審取り消し
胎児期や幼少期のメチル水銀被害を訴える「水俣病被害者互助会」の未認定患者8人が、国と熊本県、原因企業チッソに計約3億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は13日、3人を患者と認めた一審熊本地裁判決を取り消し、全員が水俣病ではないとして請求を棄却した。
西井和徒裁判長は、患者認定の国基準を踏襲し、同居していた家族の状況や、症状が水俣病由来のものかを検討。8人のうち6人は家族に認定患者がいないことなどから、胎児・幼少期に多くのメチル水銀を摂取したとは言えないと判断した。
国基準はもともと複数の症状を要件としたが、最高裁は2004年、水俣病の典型症状である感覚障害だけでも患者と認定している。8人のうち多量摂取がありうるとされた2人は感覚障害を訴えたが、高裁は「水銀との因果関係が明らかでなく、他の疾患による可能性がある」とした。(共同)
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