Tuesday, March 31, 2020 10:31 AM

コロナ対策の顔に解任論 トランプ支持者批判強める

 【ワシントン共同】米政府の新型コロナウイルス対策チームの顔として人気を集める著名専門家に対し、トランプ大統領を支持する右派・保守層が批判を強めている。場当たり的な大統領の発言を科学者として毎回、冷静に修正するのが理由。不満を募らせるトランプ氏本人が解任時期を見計らっているとの見方も浮上している。

 この専門家は1984年から歴代大統領6人に助言してきたファウチ国立アレルギー感染症研究所長。トランプ氏と共に連日、記者会見に出席し、トランプ氏が楽観論を吹聴するたびに科学的見地から修正する姿勢が人気で、感染者の多いニューヨークでは顔写真をあしらったドーナツが販売されたほどだ。

 ファウチ氏は3月30日の記者会見で「感染力の強さを見れば、秋に再び猛威を振るう可能性がある」と説明。6月までに沈静化するとの見通しを示したトランプ氏の楽観論を戒めた。トランプ氏が4月12日のキリスト教の復活祭(イースター)を目標に経済活動を再開したいと語った際にも「日程を左右できるのはウイルスだけだ」と指摘した。