Thursday, April 30, 2020 10:17 AM

IBM、医療向けブロックチェーンを提供

 IBMは27日、新型コロナウイルス感染症「コーヴィッド19(COVID-19)」に関係する医療品市場の供給網管理を目的としたブロックチェーン網を市場投入した。

 フィアース・ヘルスケア誌によると、ラピッド・サプライヤー・コネクト(Rapid Supplier Connect)と呼ばる同ブロックチェーン網は、行政機関や病院が、それまでに取り引きのなかった新たな供給業者をすばやく特定して取り引きを開始するのに役立つ。

 IBMの既存のブロックチェーン製品「トラスト・ユア・サプライヤー・ブロックチェーン・ネットワーク(Trust Your Supplier Blockchain Network)」を土台とするラピッド・サプライヤ・コネクトは、適格と判断された米国内およびカナダ内の買い手と供給会社に対し、2020年8月末日まで無料で提供される。

 ニューヨーク州の大手医療機関や米国の供給業者200社以上を組織化している世界的業界団体ワールドワイド・サプライ・チェーン連盟(Worldwide Supply Chain Federation)がラピッド・サプライヤ・コネクトに参加する見通しだ。

 また、新型コロナウイルス・パンデミックを受けて医療機器の供給会社らと医療従事者らの仲介を支援している「プロジェクトN95」は、IBMのその取り組みに対し、コーヴィッド19関連の情報を提供する。

 マスクをはじめさまざまの医療品が不足している状況を受けて、アパレル会社を含めこれまで医療品に携わってこなかった供給会社らが医療品市場に参入しつつある。そのため、行政機関や医療機関は、すでに確立した取り引き先以外からの医療物資調達を模索している。

 一般に、新しい供給業者を特定して取り引きを開始する過程には時間がかかる。IBMのラピッド・サプライヤー・コネクトは、在庫を持つ供給会社と、医療品をもっとも必要としている病院を仲介することで、新規の取り引きの過程を安全化かつ効率化すると期待される。

https://www.fiercehealthcare.com/tech/ibm-rolls-out-blockchain-network-to-match-healthcare-organizations-non-traditional-suppliers