Thursday, April 30, 2020 10:35 AM

視覚障害者、外出できず 厚労省、買い物代行容認

 新型コロナウイルスの感染拡大で、視覚障害者がガイドヘルパーの同行を受ける国の福祉サービスを利用できず、外出しづらくなっているとして、厚生労働省がヘルパー単独での買い物代行を認める事務連絡を全国の自治体に出したことが30日、分かった。感染を恐れて仕事を控えるヘルパーや依頼を自粛する利用者が増え、視覚障害者団体が改善を要望していた。

 サービスは障害者総合支援法に基づく「同行援護」で、厚労省によると利用者は約2万6000人。外出にヘルパーが付き添うと、国や自治体などが費用を負担する。買い物や通院といった日常生活が主な対象だが、同行が前提のため、ヘルパーだけの外出は公費負担の対象外だった。

 日本視覚障害者団体連合によると、1人暮らしの視覚障害者を中心に2月ごろから、自身やヘルパーの感染防止のために依頼を遠慮し、買い物や通院ができない事例が全国で増加。感染を恐れて仕事を控えるヘルパーも相次ぐ一方で、依頼がなく収入が激減したヘルパー事業所もある。(共同)