Tuesday, May 12, 2020 10:15 AM

中国、党非難の学者拘束 全人代控え、言論統制強化

 【北京共同】中国の著名法学者で元弁護士の張雪忠氏は12日までに、共産党の事実上の独裁体制を保障した現行憲法は「偽物だ」と非難、普通選挙の規定などを盛り込んだ独自の憲法草案を含む文書を公開した。その直後に公安当局に一時拘束された。当局は全国人民代表大会(全人代=国会)の開幕を22日に控え言論統制を強化している。

 全人代代表(国会議員)宛てに9日ごろ公開された文書は、公正な選挙を経ずに選ばれた代表が政策議論を行っている形跡は見られないとし、「手を挙げることしか知らないロボットのようだ」と指摘。「あなたたちを中国人民の正当な代表とみなさない」と記した。

 また憲法の役割は権力を監視、制限することにあるのに中国では共産党が国民に憲法を押し付けており、実質的には武力による統治だと非難。その上で、独裁を禁じ、直接選挙によって大統領を選ぶことなどを盛り込んだ計133条からなる憲法草案を提示した。