Monday, June 01, 2020 10:16 AM

上場企業、赤字1兆円超 1〜3月期、15業種沈む

 3月期決算の上場企業の2020年1〜3月期純損益合計が、1兆473億円の赤字に達したことが1日分かった。新型コロナウイルス感染拡大が直撃して全33業種のうち輸送用機器など15業種が赤字に沈み、ソフトバンクグループ(SBG)、日産自動車といった大手企業の経営不振が追い打ちを掛けた。昨年4月からの通期では純利益合計が前期比27.2%減と悪化。先行きには不透明感が濃厚で、経済活動再開への期待感が先行して株高が進む危うさを指摘する声もある。

 四半期の純損益合計の赤字は、東日本大震災が起きた11年1〜3月期以来。この際の赤字額は約5000億円で、リーマン・ショック後の09年1〜3月期は約8兆5000億円だった。上場企業の業績低迷は地方経済にも波及するため、政府は中小企業を含めて資金繰り支援を強化している。

 東京証券取引所第1部の上場企業の業績をSMBC日興証券が集計した。5月末までに開示した1428社が対象で、全体の96.7%に上る。(共同)