Friday, June 05, 2020 10:00 AM

NYCの新興動物病院、オンライン診療で利用者激増

 新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化しニューヨーク州で自宅待機令(食品購入や通院、単独での運動を除く外出禁止)が発動された3月中旬、ニューヨーク市(NYC)で開業して1年未満の獣医科医院(動物病院)のボンド・ヴェット(Bond Vet)はオンラインでの遠隔診察サービスを開始した。その後、診察予約件数は1ヵ月に200%を超える勢いで増えており、いまでは予約枠の8〜9割が毎日埋まる繁盛ぶりだ。

 CNBCによると、ボンド・ヴェットの遠隔診療サービスは1回の診察時間が20分、料金は50ドルで、グーグル(Google)の動画技術を活用する。獣医がペットの症状を診断し、専門家による検査や医療処置が直ちに必要な状態かどうかを見極める。

 これまでのところ診察の約半数では、獣医が対面診療を行うまでもなく食べ物や薬の処方によって解決できている、と共同創業者のモー・プンジャニ氏は話す。医院での診察や処置は緊急の場合に限定される。

 全米規模のペット向けケア・サービス提供網を運営するデスティネイション・ペット(Destination Pet)のシェーン・ケリーCEOは、言葉で意思疎通ができない動物を相手にする獣医にとって対面診察は非常に重要と認めつつも、パンデミックによって遠隔診療の重要性が浮き彫りになったと強調。「遠隔診療は今後も成長する」とケリー氏は予想する。

 ボンド・ヴェットは緊急処置が必要なペットのために、人々の接触を極力なくすしくみも取り入れている。感染防護服を着た医院職員らが飼い主からペットを院外で受け取り、獣医が初期診察後に飼い主に連絡を取って状況を説明し、治療計画について話し合う。ペットに新型コロナウイルス感染症の症状がみられる場合は、感染症の有無を調べる検査も行う。

 遠隔診察は対面診察に置き換わるものではなく、パンデミック下で飼い主による不要不急の来院を減らすための手段の一つ、とプンジャニ氏は話した。

https://www.cnbc.com/2020/05/17/new-york-pet-owners-are-turning-to-bond-vet-for-sick-cats-and-dogs.html