Wednesday, June 10, 2020 10:13 AM

北極圏で米がロシアに攻勢強化 バレンツ海に30年ぶり進出

 【モスクワ共同】豊富な埋蔵資源と新たな航路で注目される北極圏で実効支配を進めるロシアに対し、米国が攻勢を強化している。ロシアが大半を排他的経済水域と見なすバレンツ海に、米軍艦船が冷戦崩壊後、約30年ぶりに進出、ロシア海軍とにらみ合った。北極圏海域での「航行の自由」を主張する米国は艦船派遣を続けるとみられ、ロシアは警戒を強めている。

 5月4〜8日、イージス駆逐艦ドナルド・クックなど米艦船4隻と英海軍のフリゲート艦ケントがバレンツ海に入った。ロシア国防省は事前通告を受けていたが、北方艦隊のミサイル巡洋艦「マーシャル・ウスチノフ」を出動させ、監視に当たった。

 弾道ミサイルを搭載したロシアの原子力潜水艦がわが物顔に航行する海域への米艦船の進入を米メディアは「バレンツ海に米国旗」と報道。在欧州米海軍のフォッゴ司令官は、狙いは北極圏での「航行の自由」の確保だと語った。